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日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

春に産卵を終え、夏の間にたっぷりと餌をあさったサバは、秋に入ると丸々と太り、脂ものってきます。
サバは山の木々が赤や黄色に染まるころから木枯らしのころにかけてが旬で、これが「秋サバ」です。

サバは魚偏に「青」と書きます。この色は、海の色と同じで保護色になっており、上から鳥などに襲われるのを防ぐ上で役に立っています。

秋の味覚を代表する魚で「秋サバは嫁に食わすな」といわれるくらい美味なのです。それにしても、ずい分ひどいことを表現したことわざ。 今どきこんなことを言ったら、寝たきりになったときに、面倒をみてもらうのは困難なような気がしますけど。どーぞお嫁さまには、まっ先に秋サバをあげて下さいネ。お願い致します。

  


サバの脂質に多いのが、頭をよくして物忘れを防ぐ成分として注目されているDHA(ドコサヘキサエン酸)で、ボケの予防にも期待されています。 DHAは、頭のよくなる物質として、今や常識になっていますが、お年寄りの脳の老化や痴呆症の予防や改善のための成分として、盛んに研究されているのです。

こうしてみると、「秋サバは嫁に食わすな」ということわざも解釈の仕方が逆になってきます。嫁さんはまだまだ若いから、脳も健康だろうけれども、姑(しゅうとめ)の私の脳細胞はすっかりガタがきてしまっている。最近なんか、物忘れがひどくなったような気がして心配なのよ。だから申し訳ないけれども、ボケを予防するためにも、秋サバは私ととうちゃんに食べさせてちょうだい、という意味もあると思うのですけれども。

DHAと同じようにサバの脂質に多いのがEPA(エイコサペンタエン酸)で、こちらは血管をしなやかにして、血行をよくしサラサラにする作用で注目されています。この他にも風邪予防に役立つビタミンAや若返り作用のE、そしてBも豊富。 そこで提案。どーぞお嫁さんもお姑さんも、秋サバは半分こずつにして、「幸せだなア」とニコニコしながら食べましょう。

1932年、福島県生まれ。食文化史研究家。食文化研究所、綜合長寿食研究所所長。西武文理大学客員教授。古代から明治時代までの食事復元研究の第一人者。長寿食や健脳食の研究者でもあり、長寿村の食生活を長年にわたり調査している。

著書に『永山豆腐店-豆腐をどーぞ』(一二三書房)、『頭イキイキ血液サラサラの食事術』(講談社+α新書)、『和食の起源』『日本人は何を食べてきたのか』(青春出版社)、『万葉びとの長寿食』(講談社)、『健康食なっとう』『健康食みそ』(いずれも農山漁村文化協会)、『和食のすすめ』『ひとり鍋のすすめ』(春秋社)、『日本古代食事典』(東洋書林)、『100歳食入門』『みそ和食』『100歳食 レシピ編』(家の光協会)ほか多数。
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