この金銀を吸着したダンゴをホウロクの上で焼いて灰にすると金銀だけが残るので、「そば」は「金」を集める力が強いということになりました。 縁起をかつぐのが大好きな江戸っ子は、さっそく金銀細工職人の“そば”を見習い、大晦日になると、来年こそ金がたくさん集まるようにと願いながら「年越しそば」を食べるようになったのです。
やがて、除夜にそばを食べると、金運だけではなく、家運や寿命ものびると縁起をかつぐようになりました。
新年の願望をこめて食べるところに意義があり、商売の活力につながっていきます。大商店では大勢の店員たちが、かけそばをいっせいにツルツルやるのがならわしだったようで、次の川柳があります。
“百人のそば食う音や大晦日”
「そばは五臓六腑の疲れをとる」といい伝えが古くからあり、体にたまった旧年の疲れを除くのも新年を迎えるためには必要な準備だったのです。
そばには毛細血管を丈夫にするルチンや良質のタンパク質、ビタミンB類、E、それに高血圧を除くカリウムやカルシウム、鉄、亜鉛といったミネラルもたっぷり含まれているのです。 「そば好きは長生き」ということわざもあるように、食べた人の寿命を「長く長くのばす」食べものでもあったのです。
|