永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第17回 「年越しそばで不老長寿」

大晦日の夜、つまり12月31日の夜には、除夜の鐘を聞きながら家族そろって「そば」を食べる習慣があります。 これが「年越しそば」で、この習慣がおこったのは江戸時代から。

江戸時代になると経済力を身につけた町人の勢力がめだってきます。町人にとって、一番頼りになるのは金。
かざり屋といって、金銀細工をする人たちは年末に細工場をきちんと掃除する習慣がありました。その時に、とび散って畳の目や隅っこの方に入り込んだ金や銀の粉を、そば粉で作ったダンゴに吸いつかせて集めるという方法を考えだしたのです。

この金銀を吸着したダンゴをホウロクの上で焼いて灰にすると金銀だけが残るので、「そば」は「金」を集める力が強いということになりました。
縁起をかつぐのが大好きな江戸っ子は、さっそく金銀細工職人の“そば”を見習い、大晦日になると、来年こそ金がたくさん集まるようにと願いながら「年越しそば」を食べるようになったのです。 やがて、除夜にそばを食べると、金運だけではなく、家運や寿命ものびると縁起をかつぐようになりました。

新年の願望をこめて食べるところに意義があり、商売の活力につながっていきます。大商店では大勢の店員たちが、かけそばをいっせいにツルツルやるのがならわしだったようで、次の川柳があります。

“百人のそば食う音や大晦日”

「そばは五臓六腑の疲れをとる」といい伝えが古くからあり、体にたまった旧年の疲れを除くのも新年を迎えるためには必要な準備だったのです。そばには毛細血管を丈夫にするルチンや良質のタンパク質、ビタミンB類、E、それに高血圧を除くカリウムやカルシウム、鉄、亜鉛といったミネラルもたっぷり含まれているのです。

「そば好きは長生き」ということわざもあるように、食べた人の寿命を「長く長くのばす」食べものでもあったのです。


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