永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第41回 「明治の牛鍋にトライ」

坂本龍馬(1835-1867)や西郷隆盛(1827-1877)などが活躍した明治維新を社会現象的にみると、「牛鍋」からはじまったといってよいでしょう。
明治の牛鍋にトライ
当時の人たちは、新しい時代の到来を牛肉の味で感じていました。なにしろ、仏教の影響もあって、1200年もの間、肉をおおっぴらに食べることができなかったのです。
明治の新政府もキャンペーンをはじめ、マスコミも「牛肉食わぬのは時代おくれの人間」とばかりに、あおりたてたのです。牛肉の食べ方も、たいへんに明治的。当時日本にやってきた欧米人のステーキなどをまねるのではなく、鍋料理でしかも味噌で味つけをします。

牛肉とネギを鉄の平鍋の中で煮て、味噌で味を決める。ネギにはツーンとくるしげき臭があります。硫化アリルという揮発性の成分で強い殺菌効果がり、同時に牛肉特有の臭みを消す作用もあります。

味噌には消臭作用や肉をやわらかくする働きがありますから、味がいっそうおいしくなります。牛肉に多いアラキドン酸という成分に物忘れを防ぐ効果がることが分り注目されています。牛肉に含まれているトリプトファンというアミノ酸が、脳にあるセロトニンという幸せホルモンを増やすためとみられているのです。

明治式に味噌味で食べてみるのも愉快です。龍馬たちが食べていたのは間違いありません。ただ脂肪も含まれていますから、食べ過ぎにはご用心です。


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