永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第67回 「夏こそ甘酒で涼しい風に」

このところ、甘酒がちょっとしたブーム。
塩麹の人気で、麹(こうじ)のすばらしさを知った現代人が、甘酒のヘルシーな甘さと健康効果に気づいたようです。
デパートやスーパーに行くと、さまざまなタイプの甘酒が並んでいて、とくに健康に関心の強い女性に人気があるのです。
夏こそ甘酒で涼しい風に
考えてみれば、甘酒は日本の伝統的な健康ドリンクであり、「飲む点滴」といわれるほど、ブドウ糖やアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれているのです。

甘酒というと冬のホットな飲み物と思われがちですが、江戸時代にはむしろ夏の方が人気がありました。

江戸の町の風俗などを記した当時の本に、「京都や大阪では、もっぱら夏の夜だけ売る。一碗六文。江戸の町では年中売っている」とあり、六文は現在でいったら百円ちょっと。甘酒屋さんは、夜になると川風の吹く橋のそばとか川岸で商売していました。

客はショウガのしぼり汁をたらしてもらい、熱々の甘酒を飲みます。どっと出る汗をふきながら、橋の上を歩くと、川風がひんやりしてきて汗がひっこみ涼しさが全身を走ります。

クーラーの風よりも体にいい、自然の川風で涼をとる。これが江戸ッ子流の納涼法。働くための力となるブドウ糖やビタミン類、それに発酵によって発生した麹菌や酵母、酵素類が生きていますから、夏バテを防ぐスタミナドリンクとしても欠かせなかったのです。節電時代です。甘酒で汗をかいて、川風に吹かれましょう。


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