永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第75回 「初ガツオの季節」

江戸の町中が、むせかえるような若葉の季節になると、
さわやかな風にのって、ホトトギスの鳴き声が流れてきます。

ホトトギスが初夏の到来を告げると、江戸っ子は急にそわそわし始め、落ち着きを無くします。初ガツオの季節が、やってきたのです。
初ガツオの季節
初がつお 銭と辛子で 二度涙

大変です。負けずぎらいの江戸っ子が、見栄を張って高価な初ガツオを買ったばっかりに、超高価な買い物に後悔の涙を流し、薬味の辛子の辛さに、また涙してしまったという江戸っ子の川柳。
当時のカツオの刺し身を食べる時の薬味は、辛子(からし)が多かったのです。

初ガツオ一本は、安くても一両位といいますから、現在でいったら八万円くらい。
それでも江戸の男たちは、無理して初カツオを買いました。

「初物食べると七五日長生きできる」

ということわざもあり、初ガツオを無理して食べても、健康がさらに向上し病気を防げるなら高価でもいい。
というような買い込みがあったのかもしれません。

カツオは南の海から大群で初夏の頃に、日本近海に押し寄せてくるありがたいご馳走。
カツオのタンパク質には、うま味成分のイノシン酸やグルタミン酸が多く、 この味が江戸っ子の舌をとりこにしていたのです。

脂質には記憶力をよくしたり、血行を促進する成分などがたっぷり。
ビタミン類も豊富ですから、疲労回復にも役立ちました。


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