昔から関東と関西で、ねぎを食べる食文化に違いがありました。関東ではおもに白い部分(葉鞘)を食べる根深ねぎ(別名江戸ねぎ)が栽培され、関西では緑の葉の先端部まで食べられる柔らかい葉ねぎが栽培されていました。葉から根まで全部食べるという意味では、関西人は関東人より合理性が強いのかもしれません。根深ねぎの代表としては、「加賀ねぎ」「千住ねぎ」が昔から有名ですが、味自慢のねぎの横綱といったら「下仁田ねぎ」でしょう。「下仁田ねぎ」は二百数十年前に、群馬県下仁田の佐藤さんという老人が栽培を確立したといわれていますが、江戸時代に将軍家に献上したところ大変にほめられ、天下一のねぎといわれたことから「殿様ねぎ」の名をもらったそうです。また、この下仁田ねぎは、味だけではなくたんぱく質やこうしん分質も、普通のねぎの3倍もあるという優れものでもあります。
原産地は中国の西部といわれていますが、日本には「日本書紀」の中に、天照大神の神前に供えたとあることから、太古の昔からあったものと思われます。また、下仁田ねぎによく似た「リーキ」という西洋ねぎは、古代エジプトですでに栽培されていました。
薬味としてお馴染みのねぎは、ユリ科に属し、にら、にんにく、らっきょうなどに共通する刺激的な匂いが特徴。この匂いのもとは硫化アリル。ビタミンB1の吸収を高め、消化液の分泌を促進する働きがあります。風邪のひきはじめにねぎ味噌を活用している人も多いようですが、ねぎには身体を温め、汗を出す働きがあります。古典にも「ねぎの白根を葱白といい、風邪で悪寒、発熱し、汗が出ず、頭痛がして顔が腫れるものを治す」とあり、風邪による頭痛、鼻づまり、腹痛、下痢に用いられていました。焼いて食べるだけでなく、煎じて飲んだり、細かく刻んでしょうがの絞り汁と味噌を加え、熱湯を注いで飲むのも効果的です。また、喉の痛みには、5cm位に切ったねぎを真ん中から開いて、ぬるぬるしたところを喉に張りつけて、包帯で巻いておくとよいでしょう。
|