永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第14回 「葉っぱの野菜と根っこの野菜」

こどもの頃、よく母親に「ニンジン食べろ」とか、「ナッパ食べねば、病気になるど」とよくおどかされた。

ニンジンにもナッパ(葉物野菜)にも、ビタミン類や抗酸化成分など、免疫力を強くする成分がたっぷり含まれており、病気にならないで、元気に成長するためには欠かせなかったのです。

今から六〇年以上も前のはなしで、その頃の東北地方には無医村が多く、母親はこどもの健康管理に一年中気を配っていたものです。 その結果が、ニンジンのキンピラや大根、イモなどの煮物であり、カツオ節をたっぷりかけたナッパのおひたしだったのです。 いまになって考えると、「根っこの野菜」と「葉っぱの野菜」の重要性を食事ごとに教えていたような気がします。 ありがたいなァ。 まさに、おふくろの「食育」です。

食事ごとに野菜食べろといわれるものですから、野菜食がすっかり「クセ」のようになり、現在でもうっかりしてニンジンやナッパを食べないと落ちつきがなくなり、重たい病気になりそうで、とっても不安になります。 ニンジンやナッパにかぎらず、サツマイモやジャガイモ、大根、ネギ、キャベツ、コマツナ、ホウレンソウ、タマネギなどの野菜が大好きで、毎日食べるのが「クセ」になっていますが、「いいクセをつけてもらった」と、いまでも母親に手を合わせて感謝しているのです。

ニンジンやカボチャ、ナッパ類にはカロテンやビタミンC、E、食物繊維などに加えて、ポリフェノールといった抗酸化成分が多く、老化を加速させ、さまざまな病気の原因となる活性酸素をやっつけてしまう力がたいへんに強いです。

これらの成分には「万病のもと」といわれる風邪を予防するパワーもあり、木枯らしがピューピューやってくる前に、ニンジンやナッパ料理をしっかり食べて、体の免疫力を強化しておきましょう。


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