永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第29回 「春がきました フキノトウ」

おてんと様ありがとうございます。

どんなに寒くても春は忘れずにやってきます。土手の日だまりでは、もう、フキノトウが大きくなっています。
太陽のおかげです。

いつの間にか、春がやってきていたのです。凍土を割って萌え出す芽には春のふっくらとしたエネルギーがこもっており、それを食べることによって、人間も新芽のように若返ることができると、昔の人は信じていました。

春先に新鮮な山菜ということは、現代風にいえば、冬の間に不足していたビタミンCやカロテン、食物繊維などを補給することを意味します。

春になると紫外線も増えます。紫外線は体の細胞を酸化させ、老化を促進させてしまいます。芽生えたばかりの若葉にはビタミンCや抗酸化成分が豊富ですから、摘み草を食べるということは、実は紫外線対策でもあったのです。

吸い物の良薬口にふきのとう

江戸時代の川柳。春の気配を感じると何はともあれ、フキノトウを食べて「苦味」をとったのです。フキノトウの、あのほろっとした苦味こそ、春の風味であると同時に食欲増進や無病息災に役立ってきました。

フキノトウには骨を丈夫にするカルシウム、マグネシウム、ビタミンKもたっぷり。テンプラにぴったりですが、味噌で炒める「フキノトウみそ」も風味があります。さっとゆがいてマヨネーズで和えてもよいでしょう。


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