夏、さわやかな味わいでよろこばれるのが「かっぱ巻き」。キュウリを芯にした海苔巻きのこと。
若返り効果のビタミンEやC、物忘れを防ぐビタミンＢ１の豊富な海苔と一緒に食べることになりますから、「かっぱ巻き」はすばらしい健康食といってよいでしょう。
キュウリは、河童（かっぱ）が好むところから「かっぱ」とも呼ばれるようになりました。
原産地はインドのヒマラヤ山麓の周辺とみられ、平安時代にはすでに「胡瓜」の文字が使われて「きゆうり」と読ませていますから、かなり古く渡来していたことが分かります。キュウリの95%は水分ですが、あざやかなグリーンと、みずみずしい歯ごたえが魅力です。

主な栄養成分はカロテン、ビタミンＣ、Ｅ、葉酸などですが、量的にはそれほど多くはありません。注目されるのはカリウム。
キュウリには強い利尿作用がありますが、カリウムに水分の体内代謝を促す働きがあるため。したがって、尿の出がよくなり、むくみが解消されるのです。カリウムにはナトリウム（塩分）の排出をスムーズにする作用もあり、高血圧の予防にも役に立ちます。
キュウリのさわやかな香りの中に、血が固まるのを防ぎ、血栓の発生するピラジンという成分が含まれていて、心筋梗塞などを予防する上でも期待されています。キュウリをたてに四つ割りにしてスティック状にし、マヨネーズをつけると涼しい食卓の色どりに。体力もつきます。