永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第49回 「元気の出る三杯汁」

「白いおまんまは、めったに口に入らなかった。子供の時分からずーっと色のついたおまんま。つきものは三杯汁で、これを食べると不思議なほど力が出た」
岩手県で出会った九十六歳のおばあちゃんが、ニコニコしながらいいました。
元気の出る三杯汁
色のついたおまんまというのは、アワやキビ、ヒエなどの入ったご飯という意味。明治末の生まれで、戦前、戦中、戦後もずーっと黄色いおまんまだったそうです。
この色のついたおまんまを食べて年をとったおかげで、風邪もひかずに足腰もおとろえなかったという。アワやキビには細胞の若さを保つビタミンEや物忘れを防ぐビタミンB1が多い。しかも、黄色い色素は抗酸化作用のポリフェノールだから、確かに長寿ごはん。

この長寿ごはんの効果をさらに高めるのが、「元気の出る三杯汁」というのです。
朝、昼、晩と三度の食事ごとに、みそ汁を忘れるな、という意味だそうです。ただ、みそ汁のなかみは朝、昼、晩と変化させる必要があり、こうして作ったみそ汁を食べると、体中に「やるぞーッ」という「元気」がみなぎるところから「元気の出る三杯汁」と呼ばれていたそうです。
たとえば、朝にワカメ汁だったら昼は大根汁、夕方はキノコ汁というように具を変えて作ります。だしは煮干しかカツオ節で、具といっしょに食べてしまいます。しかも、実だくさんですからおかずのような役目も持っていました。みそ汁はみそのアミノ酸と野菜のビタミン類や抗酸化成分の溶合した、まさに「元気出る三杯汁」だったのです。


Recipe Search お好みレシピを見つけよう!

カテゴリー検索

ジャンル 調理時間 カロリー
※1ヶ所だけの選択でも、3つの要素を組み合わせても
レシピを検索できます。

フリーワード検索
※全角のひらがな、カタカナ、漢字でご入力ください。