日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。
第77回 「「卵ふわふわ」を作りましょう」
いまから230年ほど前の江戸中期に、ニワトリの卵を用いた専門の本が出ました。
『万宝料理秘密箱』といい、103種類の卵料理が紹介されているところから、俗に『玉子百珍』とも呼ばれています。
現在以上に、食材としてのニワトリの卵の人気が高かったのです。
ふだんの食事にも、卵が盛んに用いられています。
卵は加熱すると凝固する性質があるため、男にも料理できました。
江戸の町は男性の独身者が多く、料理する上で卵ほど便利なものはありません。
卵料理はおいしい上に、病気の回復を早めたり、体力を強化する上で
役に立つ栄養があり、結婚できない男たちにとってはありがたい食材でした。
当時、流行したのが「玉子ふわふわ」という卵料理。作り方が簡単で、なかなか美味。
チャレンジしてみましょう。
鍋にだし汁を入れて火にかけます。次にボウルに生卵と砂糖を入れ、アワが立つまでかき混ぜ、
鍋が煮たったら火を止め、卵を一気に流し入れふたをして、二分ほど蒸らして出来上がりです。