日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。
第78回 「暑さに勝つための青菜めし」
ご飯に青菜を混ぜて仕上げたご飯を「菜めし」とか、「青菜めし」と呼びました。作り方には二通りあり、最初から混ぜて炊き込む方法と、炊き上ったご飯に刻んだ青菜を混ぜる方法。どちらも、美しくて健康にもよいところから女性に好まれました。
ご飯に混ぜる「青菜」について、江戸時代の『名飯部類』(めいはんぶるい)という米飯料理を記した書物には、「わが国では、大根、かぶ、にんじんなど、その他の野菜の葉をひっくるめて菜と呼ぶものが多い。すべて飯に炊きこんで、青菜飯という」とあります。
青菜めしの作り方を見ると、「どの菜も葉だけをとり、よく洗い、細かに刻み、ざるなどにとって水を切り、熱湯をかけるか、煮え立った湯にそのまま浸して、すぐに引き上げる。淡塩を混ぜてご飯を炊き、飯器(おひつ)に移し、葉を混ぜて出来上り」とあります。
青菜めし、あるいは菜めしともに、材料を色鮮やかに仕上げるのがコツで、色を鮮明にするため、ゆで湯には必ずごく少量の塩を入れます。
スーパーなどで、葉つきの大根があったら、これを買求めて作るとよいでしょう。カブの葉でも作れます。刻んでさっと熱湯に通し、水切りしてご飯に混ぜます。この時、白ゴマを加えると、いっそう香ばしく美味で、健康効果もアップします。暑さに勝つためのビタミンCがたっぷりとれます。