永山久夫の食べて100歳

日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。

第80回 「ニンジンでもっと長生き」

日本が、またやりました。

食べ物で元気になる、体を丈夫にする、若返る、美しくなる、長生きするという考え方は、古くからの日本人の知恵。とくに野菜は、欠かせません。
ニンジンでもっと長生き
このところ、人気の高いのがニンジン。あの濃いオレンジ色の色素こそカロテンで、ガンをはじめとする万病のもとといわれる活性酸素を除去してくれる力が強い。カロテンの抗酸化作用は、脳の萎縮といった老化を防ぐ働きでも注目されているのです。

カロテンは体内で必要な量だけビタミンAとして作用し、粘膜の強化や免疫力の向上などの手助けをしてくれます。

カロテンやビタミンC、うま味成分などは、表面の皮の近くに多く、皮をむかずに調理する事がベストですが、皮をむくにしても、できるだけ薄くむくようにいたしましょう。

日本へは十七世紀のはじめ頃に、中国からもたらされ、江戸時代になると各地へ普及して色がおめでたい赤色であるところから、お正月の煮物や紅白なますのような祝い料理に珍重されるようになります。

当時の料理の本に、「根を煮て食べると甘い。あるいはまた、みそ漬けやかす漬けにしてたくわえる」とあり、次のような川柳もあります。

人参のしら和え雪の赤合羽

豆腐と白ゴマの和え衣で和えたニンジンが、まるで雪の中の赤合羽のように見えるという意味。


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