日々、元気に過ごすことは誰もの願い。そんな願いをかなえるべく、自分の心と体、食生活とじっくり向き合ってみたくなるお話をどうぞ。
第81回 「和食、そしてスキヤキ」
日本が、またやりました。
私たちの国が生み、育てた「和食文化」が、世界の無形文化遺産として、
ユネスコへの登録が、ほぼ決まったのです。
世界中の和食人気が、いっそう高くなるでしょう。
外国からいらっしゃる観光客が増加するのもまちがいありません。
「おいしい、美しい、健康にいい」が、和食に対する外国の方たちの評価。
その中のひとつに、牛肉料理のスキヤキがあります。
平の鉄鍋に、薄切りにした牛肉と野菜、シラタキ、それに焼き豆腐などを入れ、ちょっと甘めの醤油味に煮ながら口に運びます。
煮かげんは自分好み。
煮すぎると、肉がかたくなって味が落ちてしまいます。
ビールを片手に、鍋の肉をひっくり返したり、野菜やシラタキなどを引っぱったりしながら、
肉の様子を真剣にうかがいます。
ほどよく熱が通り、醤油味のしみた肉だけでもうまいのに、生卵をからめて口にするわけですから、
とろ味感がさらにうま味を増幅させ、このように美味きわまりない牛肉を食べても、いいものだろうかという罪悪感さえ感じてしまうほどの美味しさ。
牛肉にシラタキ、春菊、ネギ、焼き豆腐、シイタケなどを入れて一緒に煮込みます。
すると、シラタキにも豆腐、シイタケ、ネギにも牛肉のうま味がしみ、牛肉同様に具までうまくなってしまいます。
牛肉といっしょにシイタケや豆腐、春菊、ネギなどを食べるスキヤキは、実は「健康長寿鍋」なのです。