にらってどんな野菜?
東南アジア原産のねぎの仲間で、日本でも古くから薬草として利用されてきました。栄養バランスがよく、スタミナ料理には欠かせない緑黄色野菜です。にんにくやたまねぎにも含まれる香り成分アリシンを多く含むため、スタミナをアップしてくれる野菜として知られています。
にらの栄養素
βカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄分などの栄養がバランスよく、豊富に含まれます。
●βカロテン
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を正常な状態に保ち、免疫力を高める働きがあります。さらに血行をよくして体を温め、胃腸の働きを助けるので、夏バテしたり、カゼをひきやすい人におすすめです。
●独特の香りは??
にら独特の強い香りは、アリシン(硫化アリル)という成分です。にんにくやねぎ、たまねぎにも同じ成分が含まれています。
アリシン(硫化アリル)の効果・効能
①ビタミンB1の吸収を高め、疲労を回復させる
②代謝を促進したり、血行を良くして体を温める
③胃腸の働きを助ける
④肉や魚の生臭みをやわらげる
選び方のポイント、調理のコツ、保存方法
◆にらの選び方
・瑞々しく、葉先までぴんとしているもの
・葉の色が濃く鮮やかなもの
◆調理のポイント
アリシンは揮発性・水溶性なので、調理の直前に切りましょう。アリシンの栄養成分は根元の白い部分に、葉先の4倍含まれているので、うまみのためにも切り捨てないことがポイントです。加熱時間が長くなると、色も悪く、風味も落ちます。鍋やお味噌汁などの汁物には、仕上げにパラっと入れるのがおすすめです。
◆他の食材との相性
・豚肉
にらに含まれるアリシンは、疲労回復に効果的なビタミンB1の吸収を高める働きがあります。ビタミンB1が多く含まれる食材には豚肉やレバー、豆類などがあります。
・油
にらに多く含まれるβカロテンは油との相性がよく、加熱することで吸収率がアップするので、炒め物にするのがおすすめです。
◆保存方法
にらは乾燥に弱く、長期保存ができないので、早めに食べることをおすすめします。キッチンペーパーやラップで包み、野菜庫で保存すると栄養成分の減少が少なくなります。また使いきれない場合は、一口大にカットして保存袋に入れ冷凍するのもおすすめです。
参考文献:『からだにおいしい 野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)